競馬において注意が必要な点の一つは、得た利益が大きくなるとその一部を納税しなければいけなくなることです。

例えば、購入した馬券が的中した場合に得られる払戻金は所得税や住民税の課税対象になっています。払戻金は法律で定義されている所得の区分のうちの一時所得に含まれ、所得金額は1年間に得た払戻金総額から払い戻しを受けるために購入した馬券の費用と特別控除額(50万円)を差し引いて計算します。
もし、控除前の金額が50万円以下であれば、馬券購入で得た利益については納税不要となりますが、他に収入があればそちらにかかる税金の納付が必要となる場合があります。

一方、競馬で利益を得る方法にはこの他にも競走馬をレースに出走させて賞金を得る方法もあり、こちらも利益次第では所得税や住民税が課されます。

個人馬主の場合は保有する競走馬の頭数や出走歴などによって事業所得になるか雑所得になるかが決まり、途中で誰かに競走馬を譲り渡した場合は対価として得たお金から諸経費を差し引いた金額が譲渡所得に含まれます。

一口馬主の場合は、獲得賞金に応じてもらえる分配金から預託料や会費などの経費を差し引いた額を雑所得に算入します。
最終的に納税が必要になるかどうかは競馬以外の収入状況にもよりますが、競走馬のオーナーはたいてい多額の資産と所得があるため、納税を回避することは難しいでしょう。

なお、納税が必要な場合はそれに先立って税務申告を行わなければなりません。馬券購入で得た所得を申告する場合は払戻金や馬券の購入費用がわかるものを、レースの賞金について申告をする場合は競馬の主催者から発行された競走馬の登録や出走回数、賞金収入などが記載された証明書を申告書に添付します。

馬券ははずれたものも含めて、税務申告が終わるまでは大切に保管しておきましょう。